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【セミナーレポート】「時間管理の専門家」税理士・石川氏から学ぶ 名もなき仕事を解消して、脱・残業地獄を図るためのポイントを徹底解説

 

こんにちは!fondeskセミナー運営事務局です。
2023年11月に『時間管理の専門家』税理士の石川和男氏をお招きして、業務効率化術を学ぶセミナーを実施しました。当記事では、そのセミナーの様子をレポートします。

・タスク、雑務が多くて、なかなか定時に仕事を切り上げることができない方
・社内の業務効率を上げるために、具体的に何をやればいいのか悩んでいる経営者さま

日頃よりこのように感じられている方は、ぜひ参考にしてください。

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石川さま

時間管理の専門家
石川 和男 氏

残業ばかりしていた生産性の上がらない日々に嫌気がさし、一念発起。ビジネス書やセミナー受講によりタイムマネジメントのノウハウを取得、実践することで、生産性を下げず残業を減らす仕事術を確立した。自ら習得した「時間管理術」をベースに、生産性向上の研究を日々続けている。

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株式会社うるる fondesk事業部
事業部長 上口 徹也

電話代行サービスfondeskの事業部長をしています。電話代行サービスを運営している中で培ったノウハウやお客様の成功事例を元に、最適な電話代行サービスの選び方をご紹介します。

 

石川先生に学ぶ、「時間を効率的に使うこと、名もなき仕事をしないこと」

 

石川氏:
私は今5つの仕事をしています。月曜日から金曜日までは建設会社の総務経理、その他大学講師、セミナー講師、時間管理コンサルタント、税理士と5つの仕事をしています。
でも仕事をしていると「遊べないよね」とか「飲みに行ったりできないよね」と言われがちですが、時間を効率的に使うことによって、充実した人生を歩んでいます。

石川氏:
どうしたらそうなるのかというと、時間を効率的に使うこと。そしてもう一つ、重要なことがあります。それは、名もなき仕事をしないことですね。今日のテーマである名もなき仕事を解消する。そして自分にしかできない仕事に注力する。この仕事は自分じゃなきゃ駄目なのかなというマインドになり、「そろそろ部下ができるようだ」や「これだったら専門業者の方に言った方が早い」という形で、自分以外の誰かができないかなと考えます。
そしてもっと重要なのが、「そもそもこの仕事をする必要があるのか」という考えですね。例えば「この2000文字をそのまま書き写してね」と言われたら、書き写すのではなくコピーを取った方が早いですよね。
大げさな例ですが、このようなことが日常茶飯事で行われています。する必要のない仕事をなくすことによって時間を効率的に使い、残業地獄から脱出するということが一つの方法になります。

目標達成のために守るべき4つのポイント

 

石川氏:
名のある仕事とは何か。皆さんの考える名のある仕事や物事とは何かというと、これは「夢を実現すること」だと思います。
夢を実現する、目標を達成するためには、以下4つが必要です。

  1. 目標
  2. 目的
  3. 期限
  4. 具体的数字

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石川氏:
例えば社労士になる。「社会保険労務士になりたい」というのはただの目標です。目標だけでは「今忙しいからな」や「これ頼まれちゃったからやろう」という名もなき仕事に邪魔されていつまでも社労士という夢を実現できません。そのために「目的」を明確にします。
「そもそもなんで社労士になりたかったのか」と考えたときに「自分はおじいちゃん子、おばあちゃん子で、今の高齢者の方々に優しく詳しく年金についてアドバイスできる人間になりたいから社労士になりたい。」というのが目的だったとします。
しかしこの「目標」と「目的」だけでなく「期限」も重要です。いつまでに、例えば来年の8月にある社会保険労務士試験までに、という期限。そしてその期限までに、あと10ヶ月あるから一日2時間勉強して、1ヶ月でテキストは4回転、問題集は3回転、過去問は1回解いて模擬試験は2回解く、というかたちで具体的な数字に落とし込み、計画を立てていくことが大切になります。
「夢実現しなかったんだよな」「こういうことやろうとしたけど上手く行かなかったんだよな」と思っている方は、この4つのうちのどれかが欠けている場合が多いですね。ちょっと目的が薄かった、具体的な計画を立てていなかった、というのがあります。この4つがブレることにより、夢は実現しないうえに、名もなき仕事が参入してきます。

石川氏:
これは、個人的な夢や目標だけではなくチームや会社、事務所のビジョンでも一緒です。例えば、「売上げを上げよう」や「利益を上げよう」というのはただの目標です。売上げを上げる理由。またいつまでにという期限と具体的数字。例えば「来年3月の決算までに1年間で1億2000万稼ぐ」とした場合、1ヶ月に1000万。営業が10人なら1人あたり100万。100万達成するには、1ヶ月で60人訪問し、うち5%の3人に成約できれば達成する。
このように上記4つのポイントを明確にすることで、社員・職員とその理念・ビジョンが共有され、夢や目標を実現できるのです。

 

費用対効果の考え方

 

石川氏:
モノの価値は金額だけではなく、使用できる頻度や期間、満足度を考慮する必要があります。例えば1万円と4000円の髭剃り、どちらを買うかとなったとき。例えば1万円の髭剃りは4分で髭が剃れて、4000円のは14分で髭が剃れるという条件が付くとします。
購入時の金額が4000円の方は1万円のものより6000円得です。しかし、時間も条件につくと、剃る時間は1万円の方が1日10分得。1年間300日剃るとしたら、一日の使用料は20円。5年間使用できるとしたら、一日4円という計算になります。つまり、朝の忙しい時間を10分ケチって4円得をするか、一日4円払うことで朝の貴重な10分間を手に入れるのか、という比較になると、単に1万円と4000円で比較していたときは6000円お得だと思っていても、時間という概念を加えることで、1万円の髭剃りの方が10分間得と考えることができます。
このように、費用対効果を考えるということが重要になります。

今この髭剃りを買うという話をしましたが、実はほかに選択肢があります。それは、髭をそらない、買わないという選択です。この仕事をやらないという選択肢を取り入れること、つまり名もなき仕事を排除すれば、一気に時間を作ることができます。


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慣習に染まっているチームを変える5つの方法

 

石川氏:
名もなき仕事というのは、誰も無駄だと思って行っているわけではなく、「慣習」となることで無駄だと気付いていないだけなのです。ではどのようにこの名もなき仕事、もしくは無駄な仕事を排除するのか。特にこの慣習に染まっている会社を変える方法は、下記スライドにまとめています。

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石川氏:
1つ目は、ビジネス書を読むということ。私の持論ですが、すべての悩みごとは大型書店に行けば、解決のヒントがあります。解決できるかどうかは本人次第ですが、ビジネス書によって色んな気付きを得ることができます。


2つ目はセミナーに参加する。本セミナーでもたくさんの方にお集りいただきましたが、このセミナーを受けたことで、何かに気付いていただいたり、自分も名もなき仕事をやっていたというヒントや、新たな気付きが生まれます。
このビジネス書やセミナーで注意するのは、聞いて、読んで良かったなと思うだけでは、あまり意味がありません。たった1個でいいので、実践できるところを見つけて習慣化してもらいたいです。なので今日も1個でいいので実践し、習慣化していただきたいと思います。

3つ目が異業種交流会や同業他社との意見交換に参加する。ほかの意見を聞くことで、無駄な仕事、名もなき仕事に気付けます。コロナ禍の前は私も建設会社の集まりに行ってましたが、ほかの意見を聞くことで最初にムダを排除、名もなきことを回避できました。

4つ目は転職者の意見に耳を傾けること。私も転職してすぐは、転職先で無駄だと思っていたことも言えませんでした。なぜかというと、「前の会社ではこんないいことやってましたよ」「今の会社無駄ですよ、前の会社ではこうやってましたから」なんて言ってしまうと、「だったら前の会社にいればよかっただろ」と言われたり思われるのがオチです。なので、こちら側から、転職者の方に声をかけるんですね。そうすることで転職者の意見を聞くことができ、会社の無駄を省くことができ、コミュニケーションもとれ、無駄と思いながら仕事をしていた転職者の気持ちも晴れて、一石三鳥かと思います。なので、転職者の意見をこちら側から聞いてあげるということが重要です。

5つ目は、新入社員の話を否定しないで聴くこと。年が離れていくと、お互いの常識が相手の非常識だったりもします。しかし、新入社員の新たな発想により新たな無駄の削除のヒントが得られます。どのように否定しないで聴くのかというと、第一声に「そんなの無理」と言わないことです。いったん受け止めます。また、会議のときに若い順に意見を言ってもらうこと。影響力のある人から喋ると、その意見によせて喋ってしまうので、なかなか良い発想が潰されてしまいます。
以上5つの方法で、名もなき仕事の排除をしていただければと思います。
そして最後に、自分自身との約束を先にスケジュールに入れることにより、無駄なことは吐き出ていきます。どんどん自分とのスケジュールをいれてください。

上口:
石川先生、ありがとうございました。このやらなくてもいい仕事を誰も気付かず慣習になってしまっているいうことは、本当に多くの現場であるあるな話なんじゃないかなと思って聞いていました。

 

古い慣習は、バックオフィスDXの妨げとなる

 

上口:
今回主催しています我々は、fondeskという電話代行のサービスを運営していますが、特にバックオフィスDXで社会に貢献していきたいと考えています。このバックオフィスDXの障壁になるのが、先ほどの石川先生のお話にもありました、企業に残る古い慣習だったりワークフローだと思っています。
そんなことを考え、2021年3月に我々は「TELハラ」という言葉を通じて、社会に意見を表明する広告を朝日新聞の朝刊に掲載したことがあります。「新人や事務の方に電話番を押し付ける空気やその慣習を変えて、みんなの働き方を良くしていきませんか」ということを訴えかけたものでした。

 

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上口:
結果的に「TELハラ」という言葉はテレビや雑誌でも多く取り上げられました。当時のニュースの中から声を取り上げて紹介しますと、「誰に取り次げばいいのかわからない」「固定電話に電話をかけてくるのが面倒くさい、携帯にかければいいのに」といった声もあり、やはり電話に出させられる側としては、あまり前向きに取り組めていないのかなという結果が出たんですね。

 

電話対応は名もなき仕事の代表例

 

上口:
私の新卒時代は、教育の一環として新入社員に代表電話を取らせるのが当たり前でした。しかし時代は変わり、スマートフォンが登場して、知っている人に連絡をとる際はLINEやビジネスチャットが当たり前となりました。代表電話には迷惑電話しかこないという状態で、新人に取らせても教育効果はあまりありませんし、そもそも最近では家の電話もなくなっている世代です。そのため、そろそろ電話対応も現代版にアップデートする必要があるというふうに感じます。

上口:
電話は、圧倒的に掛け手のタイミングや事情に寄り添った連絡手段です。そのため電話を受ける側は、必ず相手にあわせた時間の使い方を余儀なくされます。会社の電話対応では自分に関係のない電話で3,40分奪われることもあり、石川先生も仰られてましたが、コストの観点で大きな損失を出してしまいます。
カリフォルニア大学等が実施した研究結果※によると、急な行動により集中力が切れてしまうと、元の集中力を戻すために20分程度の時間を要することが報告されています。つまり社員が作業を止めて5分程度の電話対応をしたとすると、5分のコストだけではなく集中力を取り戻すための20分を追加したコストがかかります。そうすると、電話の対応を一日10件やっていった場合、月間約80時間のコストが奪われてしまうという結果になります。なかなか大きなデメリットです。

※ UCI「The Cost of Interrupted Work: More Speed and Stress」
  https://www.ics.uci.edu/~gmark/chi08-mark.pdf

 

電話対応をゼロにする「電話代行」

 

上口:
そうは言っても、電話対応はいきなりやめることができない業務かと思います。そこで今回は、電話代行という手段があるということをご紹介します。
電話代行とは、発信者様からの電話を電話代行のオペレーターが対応をして、誰からどんな電話があったのかをチャットやメールでお知らせします。電話の報告内容を見たうえで電話をかけ直したり、営業電話だからスルーしようと判断いただく、といったツールになります。自社で対応する時と比べると下記のように社内フローが変わります。

 

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上口:
電話代行を使うと、上記緑色の部分の対応が全てなくなり、作業効率が良くなります。さらに社内では電話に出ないので、オフィスでは一切電話音がなくなります。なので、電話の押し付け合いもなくなり、電話当番で出社する、なんてことも不要になります。電話に出ている人が社内か社外のオペレーターなのかの違いだけで、電話対応の業務が一気に減るといったメリット満載のツールになります。名もなき仕事のひとつである、電話の無駄な業務をなくしていく一助として、電話代行というのもご検討いただければ嬉しいです。
電話代行やfondeskについて、少しでも興味がございましたら下記資料をご覧ください。

電話代行を選ぶときのポイントについて、詳しくはこちら

fondeskサービス資料はこちら

 

質疑応答

 

上口:
最後に、質疑応答に移ってまいりたいと思います。

Q:石川先生は緊急度、重要度が両方高いタスクが多くある場合は、どう優先順位をつけていますか?

石川氏:
私はやることをすべて一冊のノートに書いて視覚化し、視覚化したものの中で、どれが緊急・重要かを考えます。ただその日のうちに終わるのであれば、重要度かつ緊急なものがいくつあっても順位をつけなくてもいいかなと思います。問題なのは切羽詰まった状況の場合だと思いますが、そのときは、やはりその緊急度や重要度で、ケースバイケースで考えて取り組みます。
ただし、自分が税理士の勉強をしていたときは、絶対にこのお昼休みの12時から13時までの1時間は絶対に勉強していました。その1時間は必ず税理士の勉強をすると決めて、緊急性・重要性関係なく行いました。一個ルールを崩してしまうと、結局忙しくて税理士の勉強をやめてしまうので。

上口:
なるほど、講演の中にもありましたけども、本当に一個決めたらそこをやりきるというかたちなんですね。

 

Q:声を上げづらい企業風土の中で、無駄を無駄と気付けない状態を解消する有効策をお教えいただきたいです。

石川氏:
その上司が聞いてくれないというのは本当にありますよね。なのでなるべく上司を巻き込み、提案を上げていくっていうのが必要かと思います。一部は従い、一部は意見を言うとかですね。私も前の会社のときはこういう上司が多く、特に年功序列終身雇用の時代は年下の意見は全然聞いてくれませんでした。

上口:
なるほど、なるべく味方についてもらいたいので褒めるところは褒めつつ、指摘のところは少しずつ言っていくっていうことですかね。

石川氏:
あとは話し方、目的感だと思います。本当に声が上げられない風土で大変だと思いますが、無駄な仕事を省くため、残業しないためという目的の中で懇々と対話を続けていただきたいなと思いますけどね。

上口:
そうですね、ありがとうございます。先ほど石川先生にお話いただきました髭剃りの例とかもあるかと思いますが、費用感を出してみてもいいのかもしれないですね。
我々も電話代行サービスを運営していますが、商談にいらっしゃる方は他人の電話に出ている方や取次いでる方がほとんどです。先ほどの名もなき仕事に当てはまるものだと思いますが、自分の仕事でない電話対応が原因で自分の時間がなくなり、だけど評価はされなくて、残業が増えるという。

石川氏:
本当ですよね。こういう素晴らしいセミナーには上司や経営者の方々に本当は聞いていただきたいなと思いますよね。

上口:
その現場が本当に困っているというのが上手く伝わるといいなと思いますね。我々のセミナーも少しでもお役に立てていればいいなと思っています。
ではこちらで本セミナーは以上とさせていただきます。石川先生、本日はありがとうございました。

 

さいごに

最後までご覧いただき、ありがとうございました!今回の内容が、皆さまにとって少しでも参考になれば幸いです。
本セミナーを主催した株式会社うるるは、電話代行サービス「fondesk」を提供しています。電話対応業務をなくし、少しでも名のなき仕事の改善にお力添えできればと思っています。
ご興味ある方は、ぜひfondeskサービス資料をご覧ください!